| シリーズタイトル | Charlotte LaRue Mysteries | |||||
| 著者 | Barbara Colley | 出版社 | Kensington Pub | |||
| 第1巻発行年 | 2002 | 最終(新)巻発行 | 2010 | 総巻数 | 8 | |
| 総語数 | ☆☆☆ 72,000〜78,000 | 文字サイズ | 大きめ | |||
| 地域設定 | ニューオーリンズ 通りの名前など実在の場所が出てくる | |||||
| 主人公 | Charlotte La Rue | 第1巻での年齢 | 59 | |||
| 職業 | 高級住宅街のお掃除を引き受ける、クリーニングサービス | |||||
| レギュラー人物 | Hank 息子 医師 Carol 妻、看護士 | |||||
| Madeline Charlotteの妹、会計士 | ||||||
| Judith Madelineの娘 刑事 | ||||||
| Danielle Madelineの息子、弁護士 Nadia 妻 | ||||||
| Louis Charlotteの家の半分の賃貸人、元Judithの上司、現在警備業務 | ||||||
| ペット | インコのSweety Boy | |||||
| 英語レベル | ☆☆ | コージーミステリとしてもやさしい | ||||
| ミステリ度合い | ☆☆☆ | 平均的レベル、事件が最後に慌ただしく終わることが多い | ||||
| 著者サイト | http://www.eclectics.com/barbaracolley-annelogan/ | |||||
| シリーズ攻略法 | 第1巻のあとは、適当に間引いて古い順でも楽しめる | |||||
| ぶひママンコンプリ度合い | 3/8 | |||||
| ぶひママンの主観的お好み | ミステリとしては☆☆☆ お掃除がしたくなる点☆☆☆☆☆ | |||||
| Charlotte La Rueは59歳。ニューオーリンズの高級住宅街専門のクリーニングサービスを営み、息子を女手一つで医者に育てました。息子には引退を勧められていますが、身体の許す限り働きたいと仕事を続けています。親族やパートさんばかりでなくクライアントの面倒見も良い、姉御肌のルイジアナ・ママです。 作者はもともとはロマンス小説作家ですから、過酷な運命を切り抜けて幸せを掴んだ、という設定の登場人物も多く、ミステリでありながらお涙頂戴的要素もたっぷりです。もちろん、本人が未婚の母としての人生を歩んだ理由もとてもロマンチック。 コージーミステリといっても、素人さんが死体と遭遇するなりすぐさま「あたしが犯人見つけるわよ〜」と張り切っちゃうのとは少し違うテイストです。死体に遭遇してかなりショックを受けます。それで自分以上に精神的ダメージを受けている近親者を見かねて、あるいは警察から容疑者扱いされることに憤慨して、仕方なく事件の真相を探ろうとする...このあたりのストーリーの進め方はなかなか自然でいいんじゃないかなぁ。 またハウスクリーナーは、調べたい家のお掃除をうまく引き受けると、家族全員の私室まで入り込め、自分の指紋を残さないようゴム手袋をしていても怪しまれないから引き出しまで開けられるし、素人が探偵をするには好都合な設定ですね。 舞台のニューオーリンズの地理が正確で、Google MapでCharlotteが行き来する通りまで確認できて、「おお、この辺の家みんなプール付き」とか分かって面白い。 大邸宅のお掃除をさっさかさっさか午前中一杯で仕上げて午後は..なんていう59歳のCharlotteのお話読んでいると、「今日はお台所のタイル磨こう!」なんてやる気が出てくるのがこのシリーズの嬉しい副作用。 | ||||||
| シリーズタイトル | Christine Bennett Mysteries | |||||
| 著者 | Lee Harris | 出版社 | Fawcett | |||
| 第1巻発行年 | 1992 | 最終(新)巻発行 | 2006 | 総巻数 | 17 | |
| 総語数 | ☆☆ 62,000〜67,000 | 文字サイズ | 大きめ | |||
| 地域設定 | ニューヨーク郊外 | |||||
| 主人公 | Christine Bennett | 第1巻での年齢 | 30 | |||
| 職業 | 大学講師、元シスター | |||||
| レギュラー人物 | Sister Joseph 修道院時代の母親代わりの先輩シスター | |||||
| Eddie 息子 | ||||||
| Mel 近くに住む友人 | ||||||
| Arnold Chrisが親しくしている弁護士 | ||||||
| Jack Brooks 刑事 | ||||||
| ペット | いない | |||||
| 英語レベル | ☆☆ | コージーミステリとしてもやさしい | ||||
| 元シスターの大学講師ですから、あまりスラングを使いません | ||||||
| ミステリ度合い | ☆☆☆☆ | 主に被害者の過去が謎になるが、興味をそそるのが上手い | ||||
| 著者サイト | http://detecs.org/bennett.html | |||||
| シリーズ攻略法 | 第1巻入手不能。適当に間引いて古い順でサイドストーリーを楽しもう | |||||
| ぶひママンコンプリ度合い | 10/17 | |||||
| ぶひママンの主観的お好み | ☆☆☆☆☆ | |||||
| Chrisは14歳で母を失い孤児となったため、修道院で修道女として15年間を過ごしたのち、ニューヨーク州郊外Oakwoodにあるおばの家を相続したことをきっかけに修道院を出て、週1度大学で教えるようになった。また弁護士のボランティアメンバーとしても活動している。 元シスターである人脈を活かし、教会での洗礼や結婚の記録などを入手できるため、警察とはまったく別の側面からの調査ができるのが強み。とはいえキリスト教ばかりではなく、さまざまな信仰を持った人が登場します。 Chrisのボーイフレンド→やがて夫、は刑事ですが、他のシリーズに登場する刑事さんが、素人が事件に首を突っ込まないように牽制することが多いのに対して、Chrisの調査に協力を惜しまず、警察でしか入手できない情報を漏らしてくれて、2人で事件を解決するところがユニーク。この点がストレスがなくて楽しく読めます。 英語はやさしく読みやすい。ミステリとしては犯行のトリックを見破るタイプではなく、被害者の隠された過去を探って動機を解明し犯人に辿り着くパターンが多い。作者はこの隠された過去の作り方がとても上手く、世界情勢と移民国家アメリカの特質をオーバーラップせて、「その時代なら、そんなこともあったかも..」と、説得力のある過去を創作する。その多様さと意外性は、「実は過去に被害者にひどい目に会わされた父/母の復讐のために身元を隠して被害者に近づき..」とか、「他人のはずが実は親子で..」といったテレビの2時間ミステリの比ではない。登場人物の秘密の過去への興味からページをめくる手が止まらなくなります。 Chrisの生活はかなり地味、ファッションの描写やグルメな話題は少なく、日々の食事は少し侘びしくないかと心配なくらい−−時々夫が高価な食材を用意して料理の腕を奮うことがありますけどね。ですから男性には一番読みやすいコージーミステリではないかと思います。 | ||||||
![]() | Good Friday Murder (Christine Bennett Mysteries) Lee Harris / Fawcett (1992-02-23) |
シリーズ第1巻
Chrisは14歳で母を失い孤児となったため、修道院で修道女として15年間を過ごした。ニューヨーク州郊外Oakwoodにあるおばの家を相続したことをきっかけに修道院を出て、週1度大学で教えながら一般社会に馴染もうと努力中。
Chrisには知恵遅れの甥がおり、離れた町の施設Greenwillowで生活している。そのGreenwillowはOakwoodへの移転を計画していたが、Oakwoodの議会では反対者が多かった。施設の居住者の1人に母殺しの罪を宣告されたJamesがいることが表だった理由だった。しかしChrisにはJamesはおとなしく無害な老人に見えた。実はJamesと双子の弟Robertは共にサバン症で、巨大な素数を数え上げたり、過去のある日の出来事を目の前に見るように語ることが出来たので、学者の研究対象にもなっていたのだが、1950年の母を殺したとされる日以降Jamesは「弟はどこにいる?」と尋ねる以外は何も話さなくなっていたのだ。
甥がいるGreenwillowが近くに来ることを望むChrisは、Jamesの無実を証明し、施設のOakwoodへの移転計画を実現しようとする。果たして40年前の殺人事件をどうやって調べることが出来るのだろう?
実にプロットの作り方がうまい作家です。40年も前の殺人事件なんて、日本ならとっくに時効で再調査なんて絶望的だと諦めそうな設定ですが、なるほどアメリカではそんな手があったか!現在だとかえって通用しないのではないか?と思う手法なんですが、40年前ならいけそう、と思わされてしまいます。
絶版で入手困難なことが大変残念です。そのためあらすじを少し詳しくご紹介しました。
![]() | Yom Kippur Murder (Christine Bennett Mysteries) Lee Harris / Fawcett (1992-09-23) |
シリーズ第2巻
Chrisはマンハッタンにある取り壊し目前の、古いアパートで暮らす3人の老人の世話をするボランティアをしていた。他の居住者は家主の求めに応じて移転していたが、3人の老人だけが廃屋のようなアパートでつましく暮らしていたのだった。
Chrisは、Nathan Herskovitz老人がユダヤ教会のYom Kippur(贖罪の日)に行くのを介助する約束をしていたが、当日迎えに行ってみると、Nathanは殺されていた...Chrisは無力な老人にしか見えないNathanがなぜ殺されなければならなかったか、その過去を探りはじめた..ナチスから逃れるためにアメリカに移住してきたユダヤ人の苦労がどんなであったか詳しく描かれます。
コージーミステリでは、素人探偵が事件を探り回るのに対して、ともすれば「なんてあんたが?警察に任せればいいでしょ」といいたくなりますが、この作者は実にプロットの作り方がうまい!被害者の過去が大変興味深く、身の危険まで冒して探り回るChrisに共感出来るのです。
![]() | The Christening Day Murder (Christine Bennett Mysteries) Lee Harris / Fawcett (1993-09-01) |
30年前一度ダムとして水底に沈んだ町が、干魃続きで再び姿を現します。その教会でChrisの友人Maddieの赤ちゃんの洗礼式が行われました。そのとき教会の地下室で若い女性の身元不明死体が見つかりましたが、町の住民ではない様子。
Chrisは、この女性がよその町から通勤していた女性ではないかと推理し、各地に移転している水没した町の元住人への聞き込みをはじめます。
プロット作りの上手い作者で、読者が真相に気づかぬようにストーリーを引っ張り最後までスリリングに読ませてくれますが、洗礼式に死体が発見されてしまった赤ちゃんは少し可哀相な気がします。



